2023/11/19
【艦これアーケード】歴史考察:捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇) レイテ沖海戦 戦闘序列【史実の確認】
艦これアーケード アドバダイズムービー2021版
音量小さいです。申し訳ありません。
現行のアドバタイズムービーの冒頭、最期の部分はレイテ沖海戦のエンガノ岬沖海戦時の機動部隊本隊(小沢艦隊)の編成ですね。
史実については省略しますが、瑞鳳は奮戦し、全滅した4空母のうちでは最後に沈没しています。初月ちゃんは・・・。
後半部分では第一遊撃部隊第三部隊(西村艦隊)も登場します。
対峙する形で登場する深海棲艦達は第77任務部隊なのでしょうか。中央の時雨ちゃんが悲しそうなのがもうね・・・。
前回はレイテ沖海戦の概要でしたが今回はレイテの戦いにおける帝国陸海軍の編成についてです。
捷号作戦準備に伴い、陸軍第14軍が第14方面軍に改編、隷下に第35軍が創設されます。第一方面軍司令官だった山下奉文大将が第14方面軍司令官に着任、10月5日にマニラの司令部に到着、同月11日には隷下部隊長と会同し、作戦計画を明示しています。
作戦要綱
山下陸軍大将が大本営から指示された比島防衛の作戦要綱は上記の通りです。第1項で第14方面軍司令官は全比島の防衛に任じるとありますが、実際は異なり多くの問題を抱えていました。
帝国陸軍編成
第一の問題は作戦部隊の指揮系統の統一が図られていないことです。陸軍と海軍が完全に独立していたことはもちろんのこと、同じ陸軍内でも第14方面軍の上部機関である南方軍がマニラに所在し、第14軍方面軍司令官は、第4航空軍司令官、第3船舶輸送司令官と同列の立場であり、南方軍総司令官寺内寿一元帥の隷下にありました。
第14方面軍司令官はフィリピン全島の防衛という任務にもかかわらず、フィリピンに所在する陸軍航空隊や船舶部隊を指揮する権限はありませんでした。作戦の立案の際には、海軍司令長官、航空軍司令官、船舶司令官と協議してその合意を得てから上司の南方軍総司令官の許可を得なければなりませんでした。
第二の問題は米軍が「ルソンに来攻する場合」は、陸軍をもって決戦するという一文です。フィリピンは有人・無人の島7600余からなる島国のため米攻略部隊がどこから侵攻するのか判断が難しい地域ですが、捷一号作戦では、米軍の侵攻をフィリピン中南部と想定、その侵攻地点で基地航空戦力と海軍の総力をあげて決戦を行い、陸軍の地上部隊の基本的役割は上陸した残存兵力を所在部隊が掃討する事とされていました。陸軍が決戦の主力となるのは、予想が外れてルソン島に上陸した場合に限定されており、山下大将はそれを自ら確認した上で「ルソン決戦」準備を進めていました。
ところが台湾沖航空戦において海軍が戦果誤認から「空母11隻を撃沈など大戦果をあげた」とする誤った戦果報告を天皇に奏上、御嘉尚の勅語まで発表され、国民は「アメリカ機動部隊殲滅の大勝利」に沸き返りました。しかしながら、10月16日の索敵機の「台湾沖で米機動部隊発見」の報により戦果の誤認が明らかになります。この大誤認は国民に対してのみならず、10月20日に開かれたフィリピン防衛戦に向けた陸海軍合同作戦会議においても陸軍に伝達されませんでした。
この虚報に乗ってしまった陸軍上層部は、レイテ島へ大規模な増援部隊を送り地上決戦を行う「レイテ決戦」への戦略転換を図り南方軍の寺内司令官は、作戦を根底から覆す命令を山下大将に下します。
一方、山下大将は台湾沖航空戦の戦果を疑っており、敵制空権下をマニラからレイテ島までの距離(約730km:概ね東京-岡山間)を兵員・物資輸送するのは不可能に近いと判断していました。第14方面軍参謀たちも大本営、南方軍のレイテ決戦論に反対しましたが、南方軍総司令官の「元帥は命令する」の一言に対して、総司令官山下大将が意見具申する余地はありませんでした。
捷号作戦では、限られる航空戦力を最大限活用するため陸海軍航空部隊の統合運用について大本営陸海軍部で協議されました。海軍では従来通り敵機動部隊を主目標とする考えでしたが陸軍は攻略部隊(上陸部隊輸送船団及びその護衛艦艇)を主目標とするべきと提案し、議論は平行線となります。陸軍はマリアナ沖海戦の大敗でサイパン島が見殺しにされた事を指摘、海軍側は「マリアナ沖の大敗」と「偽りの台湾沖航空戦の大勝利」の負い目から、「敵機動部隊への攻撃優先」をそれ以上主張することはできませんでした。
7月24日に「捷号航空作戦に関する陸海軍中央協定」が締結され、空母機動部隊への攻撃は極力抑えて戦力温存を図り、海軍側が空母攻撃、陸軍側が攻略部隊攻撃及び陸戦の航空支援とする役割分担が取り決められ、陸軍側の主張が貫かれました。
当初計画した捷号作戦 各部隊の任務(要約)
陸軍の事情とは異なり「捷一号作戦」の発動は、連合艦隊が陸軍や大本営に図ることなく自らの判断で発動できるというものでした。戦機を逃さず即応するという面では理に適っていますが、比島防衛担任の陸軍第14方面軍に諮らず、現地海軍部隊が捷号作戦を発動するという事になりかねず、陸海軍の戦力を統合して実施する捷号作戦の根底を覆す危険性を孕んでいました。
帝国海軍編成
第五基地航空部隊は台湾沖航空戦で300機以上を損耗、第六基地航空部隊はダバオ沿岸のサランガニ湾に連合国軍が上陸したという誤報(ダバオ誤報事件)によりセブ島に退避していた航空機約100機が空襲を受け80機が地上撃破されており戦力回復する間もなく捷一号作戦が発動されました。また、機動部隊本隊は前衛部隊を欠き、台湾沖航空戦に派遣した航空隊が捷一号作戦発動までに戻っていませんでした。このため、運用予定の半数にも満たない100機余の航空機しか準備できず、司令長官直率の機動部隊が殆ど囮のような部隊編成となりました。
指揮系統は陸軍と比べれば斉一化されていますが、機動部隊と遊撃部隊、基地航空部隊は広域に分散しており、無線中継所の設置など通信の確保に対する処置が不十分で相互間の連絡に難がありました。
部隊の統一指揮という面では本来は機動部隊前衛のはずだった第二遊撃部隊が南西方面部隊所属のままレイテ湾突入することになり、連携できないままの進軍となっています。
音量小さいです。申し訳ありません。
現行のアドバタイズムービーの冒頭、最期の部分はレイテ沖海戦のエンガノ岬沖海戦時の機動部隊本隊(小沢艦隊)の編成ですね。

後半部分では第一遊撃部隊第三部隊(西村艦隊)も登場します。

前回はレイテ沖海戦の概要でしたが今回はレイテの戦いにおける帝国陸海軍の編成についてです。
捷号作戦準備に伴い、陸軍第14軍が第14方面軍に改編、隷下に第35軍が創設されます。第一方面軍司令官だった山下奉文大将が第14方面軍司令官に着任、10月5日にマニラの司令部に到着、同月11日には隷下部隊長と会同し、作戦計画を明示しています。
作戦要綱

帝国陸軍編成

第14方面軍司令官はフィリピン全島の防衛という任務にもかかわらず、フィリピンに所在する陸軍航空隊や船舶部隊を指揮する権限はありませんでした。作戦の立案の際には、海軍司令長官、航空軍司令官、船舶司令官と協議してその合意を得てから上司の南方軍総司令官の許可を得なければなりませんでした。

ところが台湾沖航空戦において海軍が戦果誤認から「空母11隻を撃沈など大戦果をあげた」とする誤った戦果報告を天皇に奏上、御嘉尚の勅語まで発表され、国民は「アメリカ機動部隊殲滅の大勝利」に沸き返りました。しかしながら、10月16日の索敵機の「台湾沖で米機動部隊発見」の報により戦果の誤認が明らかになります。この大誤認は国民に対してのみならず、10月20日に開かれたフィリピン防衛戦に向けた陸海軍合同作戦会議においても陸軍に伝達されませんでした。
この虚報に乗ってしまった陸軍上層部は、レイテ島へ大規模な増援部隊を送り地上決戦を行う「レイテ決戦」への戦略転換を図り南方軍の寺内司令官は、作戦を根底から覆す命令を山下大将に下します。
一方、山下大将は台湾沖航空戦の戦果を疑っており、敵制空権下をマニラからレイテ島までの距離(約730km:概ね東京-岡山間)を兵員・物資輸送するのは不可能に近いと判断していました。第14方面軍参謀たちも大本営、南方軍のレイテ決戦論に反対しましたが、南方軍総司令官の「元帥は命令する」の一言に対して、総司令官山下大将が意見具申する余地はありませんでした。
捷号作戦では、限られる航空戦力を最大限活用するため陸海軍航空部隊の統合運用について大本営陸海軍部で協議されました。海軍では従来通り敵機動部隊を主目標とする考えでしたが陸軍は攻略部隊(上陸部隊輸送船団及びその護衛艦艇)を主目標とするべきと提案し、議論は平行線となります。陸軍はマリアナ沖海戦の大敗でサイパン島が見殺しにされた事を指摘、海軍側は「マリアナ沖の大敗」と「偽りの台湾沖航空戦の大勝利」の負い目から、「敵機動部隊への攻撃優先」をそれ以上主張することはできませんでした。
7月24日に「捷号航空作戦に関する陸海軍中央協定」が締結され、空母機動部隊への攻撃は極力抑えて戦力温存を図り、海軍側が空母攻撃、陸軍側が攻略部隊攻撃及び陸戦の航空支援とする役割分担が取り決められ、陸軍側の主張が貫かれました。
当初計画した捷号作戦 各部隊の任務(要約)

帝国海軍編成



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